こんにちは。札幌のFPを中心とする専門家ユニット なないろ福円隊の矢野です。
先日、ある小学校で、ママに向けて、教育費の話をしたとき。
最初に3つ質問をしました。質問と回答は以下のとおりです。
Q:大学進学を想定して、教育費の準備をしていますか?
A:7割のママが“準備している”と答えました。
Q:教育費の準備は具体的にどんなことをしていますか~?
A:ほぼ同数のママが“学資保険”と答えました。
それ以外は特に準備していない。
あえていうなら意識して貯金するようにしているとのことでした。
Q:子どもが国公立大学に進学して、下宿するとしたら学費、
生活費などトータル4年間でいくらかかると思いますか?
A:ほとんどの方が1000万円以上は必要とのことでした。
(実際1000万円以上必要になってきます)
これだけ聞いた限りでは、必要だと思っている1000万円に対して、学資保険の満期200万円しか準備できていないことになりますね。
後は、貯蓄ができればいいですが、足りなければ、奨学金、教育ローン、本人のアルバイトなど補うことになります。
よく聞くのは、
大学進学するまでに、塾、習い事など教育費の負担が増えて、住宅ローンの返済も合わせて家計を圧迫し、資金繰りが厳しくなる。
無理して教育費を捻出して貯蓄が減り、さらに教育ローンが残る。子育てが終わって、ほっとしたのもつかの間、自分達(親)の老後資金が足りないことに気づいた。
子どもが奨学金を使ったが、社会人になっても経済的事情により返済できない。また返済額が大きな負担になっている。
誰しもこのような結果を望んだわけではないと思います・・・
教育費、特に大学の学費などは、何年後にいくら必要か、ほぼ決まっており想定できるものですから、このような事態を避け、準備できた可能性は十分あります。
【何から始めればいいの?】
では何から始めればいいのか?
まずは、計画を立てること。ライフプランです。
何にでも共通することですが、目的を達成するためには計画が欠かせません。
行き当たりばったりで、勝手にお金が貯まるなど、そんなに甘くはないのが現状です。
計画について、教育資金だけで例えると、子どもが10年後(大学進学)に1000万円(学費他)必要になる。単純に割ると、毎年100万円ずつ10年で1000万円を準備できる計算になります。
今の生活もある中で、それが可能ですか?そんな単純な話ではないですね。
家庭によって収入は違いますし、子どもの人数や生活スタイルによって支出も違います。それもずっと同じではなく、時間の経過とともに変化していきます。
住宅や車のローンといった負債がある場合もありますよね。
1,2,3・・・・5年後、10年後、20年後にどんなイベントがあって、いくらお金が必要となってくるか?収入はいくら見込めるのか把握することが大切です。
教育資金に加えて、住宅資金や老後資金、食費や水道光熱費などの基本生活費や車などの耐久財、レジャー費など・・・別々ではなくトータルで計算するのがポイントです。
このように家計の現状も含め、自分が将来望む人生の姿を反映したのが現状のライフプランです。
人生には、黒字の年もあれば赤字の年もあります。
子どもが大学に進学する期間は、多くの家庭でその年の家計は赤字になります。
だから家計が黒字の時期に準備するのですね(子どもが小学生とのきが貯め時)
また、このように我が家の家計の“今と将来の現状”が把握できれば、先ほど例をあげた、「毎年100万円ずつ10年で1000万円を準備する」が現実的に可能かどうかも分かります。
現状のライフプランをベースに、人生の支出の優先順位をつけて優先順位の高いものから準備していく資金計画を加えたものが、生きるためのライフプランです。
教育費を準備する手段はさまざまです。
貯めるために、児童手当、子どものお年玉、節約、自動積立定期預金、財形貯蓄などが出てきます。
貯めて殖やすためのさまざまな金融商品やNISA、ジュニアNISAなどの制度もあります。
借りるという手段では奨学金、教育ローン(国 財形教育融資 銀行ローン)
譲ってもらう贈与も一つの方法です。
子ども自身が在学中にアルバイトで稼ぐという方法もあります。
教育費を準備する方法はさまざまで、家計によっても手段の選択肢は違ってきます。
学資保険が良いか悪いかではなく、その家計に合っているかどうか?それだけで教育費が準備できるかどうかですよね。
厳しい話、教育にお金をかけない、かけることができない、ということも選択肢の一つです。
方法、選択肢は多くありますが、子どもが生まれたタイミングで計画するのと、高校3年生になって慌てて計画するのでは、子どもが生まれたときから計画する方が選択できる手段は圧倒的に多いですし、余裕があります。
まだ先の話と考えず、子どもの将来も含めて、計画をたてて、教育費を早いうちから準備していきましょう。
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