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「親なき後問題」ってご存知ですか? from yoshizo-

こんにちは!

札幌のFPを中心とした専門家ユニット

なないろ福円隊

 

今週の担当は、行政書士の村上です。

 

みなさんは、「親なき後問題」という言葉を聞いた

ことがありますか?

 

「親なき後」とは、知的障害等を持つお子さんの生活を、その世話をしている親が亡くなって

しまった後どうしていくかと言うことです。

 

障害をもつお子さんの生活支援は、多くの場合、その親が行っています。

親御さんにとって、自分が病気や事故で死亡してしまったり、認知症になってしまったりし

た場合、誰が我が子を支援してくれるかということは、本当に切実な問題です。

これを、「親なき後問題」と言います。

 

しかし、この問題を正面から受け止める、法律や制度の整備が遅れているのが現状です。

厚生労働省の障害者白書によると、平成23年の推計で知的障害児・者の総数は741千人

であり、そのうち、施設に入所している方は119千人、在宅(自宅等)で生活している方

が622千人となっています。

また、在宅の知的障害児・者(622千人)の年齢構成を見ると、18歳未満が24.4%、

18歳~64歳が65.6%、65歳以上が9.3%となっています。

 

この親なき後問題は、世話をする両親の高齢化が進んでおり、親自身も介護が必要と

なるケースも増加しています。

調査によれば、7割以上の両親は、本人(障害児・者)の兄弟姉妹には介護を期待し

ないという解答を寄せているそうです。長年、障害児・者の養育で苦労をした経験など

から、本音としては介護を期待したい気持ちはあっても、躊躇するということがある

のかもしれませんね。

 

この、「親なき後問題」に対応する一つの方法として、成年後見制度の利用があります。

成年後見制度(後見人)というと、高齢者の方が利用する制度と思っている方も多い

ようですが、成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害で判断能力が不十分

(衰えた)な方を対象としています。

以前のブログでもお話をした、法定後見制度、任意後見制度を利用することにより、

知的障害児・者本人だけでなく、高齢となった親御さんも含めた支援を行うことがで

きます。

また、それぞれの実情に合わせて、後見制度だけでなく、遺言や信託といった制度を

組み合わせて、将来の遺産相続、財産管理ついて備えておけば、親御さんの、

「自分が亡くなった後はどうなるのか・・」といった不安や心配を軽減することができる

のではないでしょうか。

 

以上、本日は「親なき後問題」についてお話させていただきました。

仕事柄、高齢者の抱えている様々な問題に接する機会が多いのですが、そこにこの「親な

き後」という問題が絡んでいるケースが増えています。

お話を伺っても、親御さんの心配は本当に大変なものです。私にも娘がおりますので、

その心配、切実さというのは察するに余りあります。

後見制度の利用で全てを解決することはできないかもしれませんが、例えば「福円隊」の

ような、様々な専門家が協力することで、より良い解決策の提案ができると私は考えて

います。

 

さて、私がブログを担当するのは、今回が最終回となります。福円隊のスタートから

メンバーをはじめ、たくさんの方と交流することができ、本当に自分にとって実のある

時間でした。このブログでは、行政書士として取り組んでいる業務に関するお話や、

後見制度、介護といった分野のお話を書かせていただきましたが、少しでもご興味を

持っていただけていたら嬉しいです。

 

これからは、読者として新メンバーを含めた福円隊のブログを楽しみにしたいと思います。

きっと、面白くて、感性鋭い情報を発信してくれると期待しております!!

 

福円隊の小人ブログをご愛顧いただいている皆様、それから福円隊ファミリーの皆さま

ありがとうございました~!

 

行政書士 村上 佳雅

 

 

 

~来週は新メンバーがブログ担当です。お楽しみに♪~