札幌のFPを中心とした専門家ユニットなないろ福円隊のブログにお越しくださりありがとうございます。
今週の小人はFPベンゴシです。
本日は、最初にマツシタタカヒロさんの話しです。
みなさん松下さんってご存じです?
松下さんは、認知症サポーターキャラバンメイトをしている方です。
左の写真は、認知症キャラバンメイトになるための講座の修了証です。
で、キャラバンメイトって何をするの?ってことですが、
修了証にも書いてあるとおり、
「認知症サポーター養成講座」を開催して、
認知症サポーターを増やしていくこと、これがお仕事です。
認知症サポーターの数は、2015年6月末日時点で、
全国に約630万人います。
おおっ!けっこうな人数いるでしょ?
松下さんは、認知症サポーター養成講座を開催して、認知症サポーターを世に送り出しているんですね。
さて、FPベンゴシも認知症サポーターキャラバンメイトです。
毎年、2~3回のペースで認知症サポーター養成講座を開催しておりまして、
実は、先月9月19日にも養成講座を開きました。
私の講座でサポーターになって下さった方は、そうですね~120人くらいですかね。
下の表は、認知症サポーターの受講時の性別・年齢別構成表なんですが、認知症サポータになってくれる人が多いのは、50代以上なんですね。
やっぱり、自身の親や配偶者について認知症が心配になったり、すでに認知症になっているという方の配偶者などが、サポーター養成講座を受講されるんでしょうね。
20代~40代はまだまだ少ないです。
わたしとしては、後の述べる事件を考える上でも、この世代の方によりおおく認知症サポーターになって欲しいと強く願っています。
ところで、10代がとっても多いです。これは、学校でも認知サポーター養成講座を開催しているからなんです。
今の子供達は、学校で認知症のことを知ってくれているです。これは、超高齢社会の日本で、希望の数字です。
これは、ちょっと古くて、2014年1月のネットニュースの記事です。以下抜粋です。
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【衝撃事件の核心】70歳・妻はなぜ90歳・夫を刺したのか…老老介護15年の“地獄”、崩れた妻の“精神バランス”
15年にわたる夫の介護生活で鬱病を患った末、90歳になった夫の左胸を包丁で刺して無理心中を図ったとして、
殺人未遂罪に問われた70歳の妻が昨年12月、大阪地裁から懲役3年、執行猶予3年(求刑懲役5年)を言い渡された。
(産経ウエスト http://www.sankei.com/west/news/140124/wst1401240103-n1.html)
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今、こんな事件を少しずつ目にするようになっていますね。
札幌でも2015年2月に、介護に疲れた71歳の夫が、「すまん、母さん」という書き置きをして、71歳の妻と心中しようとして殺害したという事件がありました。
さて、最初にご紹介したニュースですが、途中にこんな文章があります。
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(記事の続き)回覧文書で窮地に
肉体的にも精神的にも追い詰められた妻を凶行に走らせたきっかけは、事件前日に自宅マンションで回覧された連絡文書。
その一文に目がくぎ付けになった。
《約1年前から夜中に不審な物音がするとの苦情多数》
我が家のこと-。そう直感した。
夫が夜中の2時や3時に車いすの音を響かせてトイレに移動したり、物を取ろうとして家具を倒したりすることもあったからだ。
妻は被告人質問で犯行に及ぶまでの苦悩を打ち明けた。
「夫の状態は良くならない一方で人様に迷惑をかけている。子供たちにも頼れず、どうにもならない状況で、もう無理だな、と。夫一人では生きられないし、私も死にたいと思ってしまった。疲れ果てて…」
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「他人様に迷惑までかけてしまっている」。
そう思ったら、追い詰められてしまうでしょうね。
近所の人は、事情を知らなかったのでしょうから、このような苦情が出るのは仕方ないのです。
ただ、ただ、思うのは、
もし、もし、この家庭の事情を知っている人が、このマンション内、管理人などにいたら、
この70歳女性の近くに、認知症の方がどんな状態になるか、認知症の方を家庭内で支えている人の大変さを知っている人がいたら、
そして、この70歳の女性に、「ご主人大変ですよね、ここに相談すると、だいぶ助かるかもしれませんよ」なんてことを声をかけられる人がいたら、
どうなっていただろう、と思うのです。
わたしたちのほとんどは、認知症や介護の専門家でも何でもないです。
ですから、認知症を学んで、認知症サポーターになっても、一見たいしたことはできないことがほとんどでしょう。
でも、認知症を知って、認知症の方自身がどんな生活をされているのか、認知症の方を支えている人がどんな大変な思いをするのか、
それを想像できる人になって、ほんの、ほんの一言でいいです、
「大変ですね、」って声をかけてあげられる、
「そういえば、こう言うところに相談するといいですよ」って教えてあげられる、
そんなことができればいいと思うのです。
ちょっとした共感や助言が追い詰められている人にはものすごい救いになるかもしれません。
些細なことでも、もしかしたら、大変な救いになるかもしれないのです。
上記ニュースの70歳女性に、「そりゃ、夜中に音がでてしますね。その事情、理解してもらえるようにマンション管理組合に相談しませんか?」
なんてことでもいえる人がいたら、他の結果があったかもしれないと思うのです。
認知症サポーターは、何かを、はりきってやんなきゃいけない、そんな人である必要はないのです。
些細なことでいいのです。
いや・・・・・そんなに意気込んで頂かなくてもいいと思っているんですが・・・σ(^◇^;)
認知症を学ぶことで、まず、近隣の認知症の人の存在に気付くことができる。
気付けたら、その方やご家族が何か困っていないか、そんな想像ができる。
もし、困っていそうな様子を見かけたときに、まずは挨拶でもいいです、一声かけて、話ができるな状態になる。
そうして、認知症のことで大変だという事情が分かったら、大変ですね、って共感してあげる。
それだけでもいいのです。
私は、そんな人が増えてくれたらうれしいのです。
にわとりさん、ひよこさん、ありがとう。
にわとりさん親子は、できるかも、っていってくれましたが、
まあ、実は、これだけでも、普段近隣の人と付き合いの薄い生活をしているわたし達には、
けっこうハードルが高いかもしれない、と思っています。
見知らぬ人に声をかけるのは、結構勇気もいります。
でも、問題意識を持っていると一歩を踏み出すことができる場合がきっとある、と信じています。
実は、私も、認知症サポーターになってから、見知らぬ高齢者の方に結構を声かけができるようになったのです。
私は、認知症サポーターができることは、一見すると小さい、でも、実はすっごい大きなことを実現しているのではないか、と思っています。
だから、認知症サポーター養成講座にはとっても意義があると信じてお話をしています。
来年1月に福円隊の認知症サポーター養成講座がありますので、ご参加頂ければうれしいです。
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