こんにちは!
札幌のFPを中心とした専門家ユニットなないろ福円隊
福円隊の自称いやし系担当、行政書士の梅ちゃんこと梅澤です。
私は普段判断能力が不十分になってしまった方の財産管理をする仕事を中心に、相続や遺言といった分野のご相談に応じています。
最近多くご相談いただくことの一つに「身寄りのない私が認知症になってしまったり、体が不自由になってしまったらどうしよう?」ということがあります。
今回は、このようなお一人さま老後を安心して過ごしていくために、知っておきたい制度について書いていきたいと思います。
例えば、Aさん(仮名)のようなご相談です。
Aさんは84歳。
お子様をはじめ身寄りがなく、現在はご自宅で一人暮らしです。
高血圧などの持病はありますが、認知症状はなく、身の回りのことはほとんどご自分でしています。
Aさんの主な心配事は以下の2つです。
(1)「将来、身体が不自由になったり判断能力が衰えてしまったとき、預貯金などの財産の管理を任せられる人がいない。」
(2)「亡くなった後の、お葬式や遺品整理、埋葬などはどうなってしまうのか心配」
では(1)から考えてみましょう。
まず、まだ判断能力は十分だけど、体が不自由になってしまったため、
財産管理や介護サービスの契約といったことが難しい、
という時に備えるものとして「財産管理契約」というものがあります。
たとえAさんの体が不自由になってしまっても、判断能力が十分なうちは、
次にお話しする任意後見契約というものによる保護は受けることができません。
この任意後見契約の効力が発生しない間の財産管理に関することを、
Aさんの代わりに契約を受けた人がする契約です。
では、今出てきた「任意後見契約」とはどのようなものかと申しますと、
判断能力が低下した後に、Aさんの財産管理をしていく契約のことをいいます。
財産管理をする、という点では上の「財産管理契約」と同じですが、
「任意後見契約」の場合は、財産管理をする人を監督する(監督人)を家庭裁判所がつけてくれます。
この監督人がつくことによって、Aさんの判断能力が低下した後も、Aさんの財産をより適切に管理することができます。
Aさんは「財産管理契約」、「任意後見契約」というものを使うことで、体が不自由になってしまったり、
判断能力が低下してしまった後もその財産管理などをしてもらうことができるようになります。
次に(2)Aさんが亡くなってしまった後のことを考えてみましょう。
Aさんが亡くなった後の葬儀・遺品整理・埋葬などをすることができる「死後事務委任契約」というものがあります。
上の「任意後見契約」は、Aさんが亡くなったときに終了してしまいます。
そこでAさんは、この「死後事務委任契約」をあらかじめ結んでおくことで、
自分の死後のことを契約を受ける人にしてもらうことができるようになります。
このようにお一人さま老後を安心して過ごすための制度はいくつもあります。
前々回にこのブログでご紹介した成年後見制度もその一つと言えます。
その人その人の置かれている状況によって、必要な制度の組み合わせは様々なものとなります。
詳しい利用方法は、弁護士、行政書士等の専門家にお問い合わせください。
来週の今週の小人は、札幌のスイーツFPまりりんです。
お楽しみに!