みなさん、今日は。
最近、自宅の炊飯器に自動お焦げ機能がついて、毎日お焦げご飯を食べることができ幸せなFPベンゴシです。
購入から約5年、5年経過で自動的にお焦げができるサプライズ機能を備えているなんて\(◎o◎)/!
さすが技術大国日本!と感心しております。
札幌のFPを中心としたお金と暮らしの専門家ユニットなないろ福円隊 のブログ、
今週はFPベンゴシの担当で提供いたします。
さて、みなさんもニュースでご存じかと思います。
みのもんたの息子がコネ入社だったことを・・・・
おおっと!違った!ニュースを間違えたぜ・・・
最高裁判所平成25年9月4日決定でした。
これは、非嫡出子の相続分を、嫡出子の半分とする民法900条4号の規定が憲法違反であるとしたものです。
(梅澤行政書士の記事とはかぶりませんのでどうぞ、読み進めて下さい。)
※嫡出子=婚姻関係にある男女間(夫婦間)に生まれた子供のこと
非嫡出子=婚姻関係にない男女間に生まれた子供のこと。婚外子などともういう。
これまでは、非嫡出子の法定相続分は、嫡出子の半分とされていたんです。
上記の図でいいますと、夫が死亡した場合、法定相続人は、妻と子供2人(嫡出子と非嫡出子)となります。
そして、各人の相続分は次の様になります。
妻 2分の1=50%
嫡出子 6分の2≒33.3%(1/2×2/3)
非嫡出子 6分の1≒16.6%(1/2×1/3)
このような法定相続分の扱いは、「非嫡出子」という子供自身ではどうにもできない身分による合理性のない差別だとされたのです。
いままで、なんでこんな規定(民法900条4号)があったのか。
つまり、民法900条4号が設けられた理由ですが、
それは、一言でいえば、「法律婚の保護」、つまり、ちゃんと結婚している側を保護しようね、ってことです。
結婚していない側の子供(非嫡出子・婚外子)に相続上不利益を与えることで、ちゃんと結婚して子をもうけることを推奨するということなのです。
これについては、昔から、憲法学者、民法学者をはじめ、法曹各界からは非常につよい批判がでていました。
どんな批判かと言いますと、
非嫡出子の相続分に不利益を設けたからといって婚外子の出現を抑えられない、
だから、この規定は効果のない規制で法律婚の保護になっていない、
このような区別は、単に非嫡出子(婚外子)差別にしかならない、
それは、個人の尊厳を尊重し、個人を平等に扱うとする憲法14条1項に違反する不合理な差別だ、
というものです。
私も、司法試験受験生のときは、つばを飛ばして、そう言っておりましたが・・・
さて、このように、学者らは、端的に、法律の目的(法律婚保護)達成手段として意味がないのに、身分上の差別をしているから憲法違反、としていたのですが、最高裁判所は、そんな風には言いませんでした。
いわく、我が国における婚姻や家族の実体の変化、国民の意識の変化がある、現在欧米諸国にこんな規定はない、国際人権B規約、児童の権利条約の批准などなど。
要するに、時代が変わったので、子を個人として尊重するという観点からは憲法14条に違反する、ということです。
DNA鑑定と親子(父子)関係
さて、なんと、以上は前振りでして、これからが本編です。
民法には、嫡出否認、という制度があります。
これは、何かというと、端的に言うと、法律上の父と子の関係を否定する制度です。
さきほど、言いましたように、婚姻関係にある男女、つまり夫婦間に生まれた子供を嫡出子という、といいました。
嫡出子ということはどういうことかと言いますと、この婚姻関係にある男女(夫婦)の子供である、ということを法的に承認することです。
これに対し、非嫡出子の場合、当然には親子関係が生じません。
具体的には、父子関係です。
婚姻関係にない男女の間に子供が生まれた場合、法律上、父子関係を発生させるためには、「認知」をしなければなりません。
これは、こういうことです。
一般社会の目から見て、夫婦にある男女がいて、女性が子供を産めば、通常夫たる男性の子供であると考えられます。
そりゃ、そうですよね。夫婦の奥さんが産んだ子供について、普通、「夫以外の子だよ」なんて思う人はいないですよね。
しかし、これに対し、
婚姻関係にない場合、女性が産んだ子供の父は、直ちにはわかりません。
(すくなくとも、法律上、直ちに父子関係を発生させる理由となる基盤(例えば婚姻関係)がありません。)
そこで、当事者である男性の認知という意思表示によって、はじめて、法律上の父子関係を発生させようとしたのです。
(なお、これに対し、母子関係は、出産の事実から当然に法律上の母子関係が生じるとされています)
さて、さて、このように、夫婦関係にある女性が産んだ子供は、法律上、当然に、夫の子供、となるのですが・・・
真実は、夫の子供ではない、ということがあり得るわけです。
こんな事例です。
妻Bさんは、夫Aさんと結婚後、二人の子供を産みました。
しかし、実は、男の子は、第三者Xとの間の子でした。
この場合、二人の子供は、法律上夫Aさんの子供(嫡出子)となります。
夫Aさんが、真実を知った場合に、男の子との父子関係を絶ちたい、と考える場合があるでしょう。
また、他方で、妻BやXの側から、男の子を、Xの子供としたい、という場合もあるでしょう。
なにより、男の子自身が、真実の父親と父子関係になりたいと思う場合もあるでしょう。
このような場合に、嫡出否認という制度によって、法律上の夫Aと子供Cとの親子(父子)関係を絶つことができます。
具体的には、まず、嫡出否認の調停を家庭裁判所に申し立てることになります。調停は話し合い手続なので、話し合いがつかない場合、嫡出否認の訴えを提起することになります。
ただ、実は、この嫡出否認制度、問題となる子供の出生から1年の内に利用しないとだめなのです。
1年を経過してしまうと、二度と使えないのです。
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(参照条文)
民法第777条 嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から1年以内に提起しなければならない。
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すると、例えば、上記の図で、夫Aは、子供Cを自分の子だと思っていたが、Cが2歳のとき、実はXとの子だと知った、という事例では、Aさんは、嫡出否認の訴えを提起できません。
これについて、多くの学者は、非常に不都合な制限だ、と考ています。
どうでしょう?みなさんも、そう思いませんか?
私も、弁護士になってから、このような案件を幾つも扱いました。
DNA鑑定などで、自分の子供ではないことがあきからなのに、親子関係を断絶することができない、どうしよう、という相談です。
このような場合、私も、
「1年経過しているので、原則として親子関係を否定することはできません」、と答えます。
「が、しかし・・・」と続きます。
このように、現実には、非常に問題があるため、
この民法777条の1年という期間制限をクリアーする方法がいろいろ考えられています。
ひとつは、「夫が子の出生を知った時から1年」を、出生だけでなく、「自分の子ではない」という事情も知ったとき1年を起算しようとする解釈がなされています。下級審の裁判例ではこのような解釈をして、何とかクリアーした事例があります。
つぎに、こんな考えもあります。
そもそも、夫婦間に生まれた子供を嫡出子とするのは、通常、夫婦間に生まれた子供は、夫婦たる男女の子供であろう、という推定があるを理由としています。
そして、そのような推定があることから、さっさと父子関係を確定させよう、疑いをもっているなら早く訴訟手続してね、ということで、1年という期間制限があります。
であれば、そのような推定がおよそ働かない事情がある場合には、1年の期間制限に服する必要がない、と考えて、
そもそも、そのような場合には、民法777条は適用されないのだ、という考えがあります。
つまり、そもそも、民法777条の適用場面を狭めるのです。
これは、実は最高裁判所も認めている考えです。
では、そのような推定がおよそ働かない事情がある場合、とはどんな場合でしょうか。
妊娠した時期に、次のような事情がある場合です。
夫が災害で遭難し行方不明だった
夫が刑務所にいた
生殖不能で妊娠させる事がありえない
すでに長期間別居していた
そもそも、このような事例の場合には、およそ、生まれた子供が夫の子供である可能性がありません。
だから、最初から、親子として推定することはやめよう、と考えても当然だといえます。
しかし、
このような事例に限定されると、まだ非常に厳しいといえます。
たとえば、夫は、自分の子供が他人のこと知らないで、奥さんと仲良く暮らしていて1年が過ぎたような場合には、やはり1年の期間制限がかかり、もはや嫡出否認の訴えはできないことになります。
実は、下級裁判所では、もっと要件を緩和して、広く、父子関係の断絶(これを親子関係不存在確認といいます)を認めようとしています。
しかし、最高裁判所は、非常に厳格で、上記に挙げたような事情がないとダメだとしています。
そのため、下級審では、親子関係不存在確認が認められるけど、上告されて最高裁に行くとダメだと言われる、ということが起こります。
また、そもそも、下級審の裁判官でも、最高裁判所のように非常に厳しく考えるひともいれば、最高裁判所に従わず要件を緩和しようという人までいるのです。
そのため、問題の解決を、非常に不安定にしています。アドバイスする側としても大変困る状況です。
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民法は、明治時代に作られました。
当時は、親子関係を否定するための証拠と言えば、人の証言が中心でした。
人の記憶なんて曖昧なものですし、薄れていきます。
ですから、1年も経過してから、親子関係を争うのは望ましくない、ということもいえたのでしょう。
今と違って、科学的に親子関係をはっきりと否定もできなかったので、親子間に激しい葛藤も生じにくかったかもしれません。
しかし、時代が進み、血液型での判定ができ、現在では、DNA鑑定で、ほぼ100%の確率で生物上の親子関係が判断できます。
時代が変わったのです。
親子関係がないことが科学的にはっきりとわかってしまったときに、
1年たったら、もう一生親子関係を断絶できないよ、とすることはどうなのでしょう?
親子でないことがわかってしまったときに、円満な親子関係を維持する事ができるのか?
逆に、1年という期間制限があり、親子関係の断絶を容易に認めない現在の法制度を前提にした場合、DNA鑑定などしても、意味もなく紛争をおこすだけだから、すべきではない、ともいえるかもしれません。知らぬが仏、ということもあるでしょう。
しかし、やはり、親子関係の断絶を認めた方がいい場合もあると考えた場合、
ただ、その場合でも、長年、親子として生活をした、例えば15年経過した、というような場合に、当事者の一方から自由に親子関係の断絶を認めていいのか、という疑問もあります。
これは、まさに、民法改正によってしか解決できません。
そして、改正の方向は、まさに、今という時代における親子関係についての国民の意識が基礎になります。
みなさん、どうでしょうか?
DNA鑑定などで、親子関係の有無がはっきりわかってしまう時代に、
親子関係を切りやすいようにすべきか、
切りやすくすると言っても、どのような要件がある場合に認めるべきか、
親子でないことがわかってしまったとしても、一定の時間が経過した場合には、もはや争わせないようにすべきか、
これを考えるには、いろんな状況を考えないと行けません。
父、子、それぞれ、どのような葛藤が生じるだろうか、
子が未成年の場合に、現在の父がいなくなるような方向にもっていっていいのか、
真実の父でなくても、一定期間経過した場合には、法律上は父として養育させる必要があるのではないか、
親子関係が否定された子供は、真実の父を発見できるか、認知を求めることがどれだけ容易か、
みなさんは、どうお考えでしょうか?
このような現代の科学と親子関係は、代理母、第三者の卵子又は精子を使った受精、性転換などでも問題となっております。
科学の進展と親子関係の問題は、実は身近になりつつあります。