みなさん、こんにちは!!
札幌のFPを中心としたお金と暮らしの専門家ユニットなないろ福円隊
福円隊の自称いやし系担当、梅ちゃんです。
私の仕事は相続に関する手続をお手伝いをすることです。
その手続の中でいわゆる婚外子(例えば愛人の女性との間に生まれた子どもです。)といわれる相続人が出てくることが少なくありません。
この婚外子について、9月4日に大きな裁判所の判断がでましたので、今回はこれについて書いていきたいと思います。
「私は相続に関する手続をお手伝いしています。」と言いましたが、
その中でも、亡くなった方の財産をご家族などに引き継ぐ手続のお手伝いをすることが最も大きな仕事となります。
この手続の一番最初にすることは、亡くなった方の財産を引き継ぐ人(これを相続人といいます。)をはっきりさせるために、
その方の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本等を集めていくことです。
この戸籍については前々回の「今週の小人に」yoshizo-さんが、とってもわかりやすく書いてくれていますので、よかったらご覧くださいね。
実は、その戸籍を集めていく途中で、いわゆる婚外子といわれる方が現れることが少なくありません。
では、そもそも婚外子とはどういう子どもを言うのでしょうか?
婚外子とは、法律上の婚姻関係にない(つまり婚姻届を出していない)男女から生まれた子をいいます。
法律上は非嫡出子(ひちゃくしゅつし)と呼びますが、以下では一般的に使われているように「婚外子」と呼んでいきます。
(結婚した夫婦の子は法律上、嫡出子(ちゃくしゅつし)と呼びます)。
ですから、いくら男女間に内縁関係があっても、その男女から生まれた子は婚外子ということになります。
では結婚していない父母とその婚外子の関係はどうなるのでしょうか?
まず、母と婚外子との関係は、出産という事実により法律上当然に親子関係が発生します。
お母さんから生まれ出たことは明らかですからね。
それでは、父と婚外子との関係はどうでしょう?
実は、父と婚外子とは、法律上当然には親子関係が発生しません。
父が認知というものをしてはじめて、法律上の親子関係が発生するということになります。
認知とは、平たく言うと、父が「その子はおれの子だよ。」と役所に届け出て、法律上の親子関係を発生させることをいいます。
つまり、結婚していない男女から生まれた子どもは、当然には母しか親がいないということです。
父と子の間には、生物学的には親子関係があるはずですが、法律的にはそのままでは親子関係は成立しません。
ですから、父が認知をしなければ、子は法律的には父のない子となって母の戸籍に入り、その戸籍上の父の欄は空白となります。
そして、父の認知があってはじめて法律上も父となるということになります。
裁判で問題となっていたのは、父が亡くなったときに同じ父の子どもであっても、
結婚している妻との間の子と、婚外子との遺産の取り分が法律で違っているというところです。
ちなみに認知をしないで父が亡くなったときには、同じ婚外子でも遺産の取り分はゼロです。
父とその婚外子の間には、法律上の親子関係が発生していないからです。
以下は認知されている婚外子を前提にお話します。
では具体的に見ていきましょう。
実は法律には、「婚外子の相続分は、結婚した夫婦の子の1/2」ということが書かれています。
これに従えば、例えば父が2400万円を残して亡くなり、相続人が母(父から見ると妻)と、結婚した夫婦の子ども1人と、婚外子1人とした場合、
その取り分は母が1200万円、
結婚した夫婦の子が800万円、婚外子が400万円となります。
今回の裁判所の判断は、この結婚した夫婦の子どもの取り分と、婚外子の取り分とに差があることが婚外子差別であり、この法律の規定が憲法に違反している、としたわけです。
父母が結婚していなかったという、子にとっては自分でどうすることもできないことを理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されないということです。
そこでこの裁判所の判断に従ってこの規定の適用をなくした場合のそれぞれの取り分を計算しますと、
母が1200万円と変わりませんが、
結婚した夫婦の子600万円、婚外子600万円と、子ども同士の取り分は同じになります。
裁判所はこうすることが平等だと言っているわけですね。
次回の「今週の小人」は、札幌のスウィートFPまりりんです。
おたのしみにっ!
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